FC2ブログ

白粉と化粧の呪術

白粉(おしろい)の化粧を目にするのは、婚礼の花嫁、芸者、遊女、白拍子、巫女、公家、祭りの童、歌舞伎の俳優、田植え祭の早乙女、他には妖怪「白粉婆」などがある。共通するのは、なんらかの神事に関わる職業や立場の人たちである。

お公家の白粉は、寝殿造りの室内が暗いために白化粧をしたとか、官人の位階を示すため等と云われるが、他は神祭りに奉仕する人たちのようである。

               白無垢2

婚礼の白無垢姿は、一般には「嫁ぐ日にあたり純白の色をまとい婚家の望みの色に染まるため・・」などと述べられますが、実際は神の斎女(イツキメ)である女が俗世の男性に嫁ぐという還俗のセレモニーのように見える。

「お色直し」は、神に奉仕する人から俗世の女人に化身するプロセスで必要であり、神に仕え成女戒を受けなければ人間に嫁ぐことはできなかったようです。そうすると芸者、遊女、巫女は神に奉仕する者の資格として神楽等の奉納を行うものであり歌舞伎の役者も同様の意味になるように見える。

遊女は本来、神に仕える斎女(イツキメ)として、ケガレ祓いを行う巫女だったのであり、傀儡女、人形回し、夷かき等も人の厄災を祓うものに同系である。
流し雛、オシラさまの風俗も身に憑いた穢れを人形(ヒトカタ)や布れに移して祓うものでした。
                
                遊女


田植祭に奉仕する早乙女は、田の神に仕えるハレの役であり巫女でもある。この日の装いはケ(日常)着ではなくハレ着(紺の単衣に赤い襷、白い手ぬぐい、新しい菅笠)を着用した。田植衣装のこうした華々しさは、田植が重要な神事である証しであろう。

紺、赤、白はそのまま春夏秋の農事の順行の色であり、菅傘は神霊の依り代である。早乙女は、田の神のもとに奉仕する巫女の姿として神霊が依り憑くように菅笠に白粉の化粧をした。
           
京都祗園祭りや博多松囃子などの稚児は、白粉を塗って、神の尸童(ヨリマシ)として祭り先導の任に当たるもので白粉化粧は神の占有の印なのです。

             稚児2

妖怪「白粉婆」は『今昔百鬼拾遺』に「鏡を引きずってジャラジャラと音を立てつつ現れる、老婆の姿の妖怪でひどく腰が曲がっていて、大きな破れ傘を頭に被り、右手で杖をつき、左手には酒徳利を持っている姿で描かれる。

顔一面に白粉を塗りたくっているが、この塗り方が厚ぼったい上にひどく雑で、見るだけで恐怖を覚える」とある。
此れは世俗(鏡、酒徳利)の執着を捨て切れない山姥が神霊の力を白粉の呪力を借りて不死の願を求めてさ迷う落魄した姿ではないかと思ってしまいます。

               白粉婆

問題は、なぜ「白」が浄衣として神聖な色とされているのでしょうか?
「赤」が太陽や火の色で「陽」あることに対して、白は五穀の色、月の色、骨の色で「陰」であり、陰陽思想によると「魂魄」は陰陽の要素であり人が落命すると魂魄は分離して魂は天に、魄は地に還るという。

「魄」とは骨のことであり、骨はまた魂の依り代であるから魂と同様、骨にたいする崇敬の念がついたといえる。白はそのまま骨の色であるからだ。
「魂魄」の魄とは骨であるがために「白」の神聖性のシンボルになったものかと考える。
スポンサーサイト
プロフィール

jyoumonjn                                      K.やまだ       in SAGA 

Author:jyoumonjn        K.やまだ in SAGA 
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新トラックバック
月別アーカイブ
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ポインタ・スイッチ




最新記事
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR