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ミサキ神

ミサキは動物の例がよく見られる。西日本では憑き物の信仰と結びついて行逢(ゆきあい)神やヒダル神などのように、非業の死を遂げて祀られることのない怨霊が人に憑いて災いを成すという。

ミサキは、眼には見えないものとされ、ミサキとの遭遇は体調不良や虫のしらせなど、一種の予感として現れるといいます。寂しい道を歩いている途中、突然の寒気や頭痛はミサキのためだという。

 ミサキ

狐をミサキ神と呼び崇敬している地方もあり、これが人に憑くと信じられていました。埼玉県秩父地方では、ミサキ神が憑くと貧しい家でもたちまち金持ちになるとも伝えられている。
此のように、ミサキは地域により伝えられかたが異なっていますが、もともとミサキは、「御前(みさき)」、すなわち前駆・先出の意味であり、大きな神の出現の先に立って働く小さな神のことであった。お触れ神としての性格をもつものであろう。

 狐


上の例は幸運をもたらす福神のミサキですが、本来、神の霊魂には、荒魂(あらみたま)、和魂(にぎみたま)の二つの側面があり、荒魂は、天変地異を起こし、病を流行らせるなど、荒ぶる側面をもち、和魂は、雨や日光の恵みなど、神の穏和な側面をもっていて、幸運や神の加護は和魂の表れである。

ミサキ神もこれが荒魂の場合は、大きな災害や、飢饉の前兆として捉えられ、それだけ祟りも顕著とされ恐れられました。ミサキ神が次第に時と共に忌まわしい神として零落していった理由はこのあたりにあるのでしょうか。

ミサキ烏

次に、カラス(烏)をミサキと呼ぶ地域も広域に見られ、神の先駆として、非常の際に現れる、といいます。

神話に登場する八咫烏(やたがらす)もミサキの一種であり、神武東征の際に神武天皇の先導をしたとされることが、ミサキの性格をよく示している。これら八咫烏や狐のように、重要なことや神の降臨に先駆けて現れるものがミサキ神とされるものだ。

東北地方では、ミサキをカラスの異称として、正月11日(旧暦)に田に出て「オミサキ、オミサキ」と呼ぶ風習があった。その際には、小さな餅を田畑に放り投げ、ミサキ烏(からす)に供えました。

また正月11日に、「鍬入(くわいれ)」として、田や畑を数回、鍬で起こし、竹や松、ユズリ葉などを挿しますが、この日を「田打ち正月」と呼んだところもある。また年の初めに山に木を伐りに行く「初山入り」の際には、供え物をして山の神を祀った。このとき伐った木は、祭事などの燃料に用いたという。

山札

正月8日(旧暦)農事の初め(オコトハジメ)として、藁(わら)で作った飾りに、紙、松葉、昆布、魚、炭を挟んだ「山札」という飾り物を持ち、懐に入れて来たオボコ(餅)を焼いたものを、「ポーポポポ、ポーポポポポ」と言ってカラスを呼び集めながら撒いたという・・・・おぼこ(産子・うぶこ):小さい、やわらかい、などの意味(ここでは小さい玉餅のこと)。

カラスは山の神様の使者のため、田に呼んで懐の餅をやるのである。カラスに餅をやり、飾りは木の枝に吊し、帰りに小柴を刈り取ってきて、それを火に焚き、家族でその火にあたる(一戸町)・・・神使は「神のつかわしめ」と呼ばれ、ミサキ神 ともされ、神に先駆けて出現し、神の意志を知らせる兆しとされる。供えたオボコ(餅)の食べ具合により作柄を占ったのではとも考えられる・・・此のようにして農作業の無事と豊作をミサキ烏に祈願したに違いない。
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