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湯立ての神事

大寒を過ぎると、あと二週間くらいで「立春」となる。
旧暦だと、この月が正月でもあったため盛んに冬から春への季節転換の祀りが行われた。
「湯立て」の神事もそのひとつです。

                霜月蔡1

 四方に青竹を立て、しめ縄をはり、中央に大鍋をすえて湯を沸騰させます。

神官は、祝詞のあと湯の中に小豆をいれたり、処によっては蕪大根やニンジンを加えたりするところもある。
そこにさ笹竹を浸してその露を周囲の氏子、参拝者に振り掛けると、これにより不浄を祓い無病息災、
五穀豊穣が叶えられるといいます。

これには全国にも類似の風習が残されていますが、大きくみると「火」による迎春呪術のパターンである。

春を寿ぐのに「火」を用いる場合、直接火を用いる場合と、もうひとつ「火」の象徴を用いる場合があります。
ドント焼きや、火の粉を振りまくのは前者であり、流鏑馬や、凧あげ、青竹での射的などは後者になる。
他には福笑いも、夜更かしも火になります。

そこで、湯立てのほうはといえば「湯」はもとは水ではありますが火により沸騰されたお湯はその形質を
「火」にかえたものです。
水は、冬の気(五行)ですから、冬を火によって変質させ熱く沸きあがる火の象徴としての「湯」にしそのしぶきを
かけることは火剋金の、金気剋殺の迎春の祀りであるに違いない。
その証拠に、お湯を振り掛けるのは笹竹を用いることは共通しています。笹や竹は植物ではありますがその
成長の早さ、破竹の勢いをしめす火の勢いに転じたものです。

それでも足りずに、鍋の中には小豆や赤蕪など赤いものを加え火の転換を加勢しています。
迎春にとって最も忌むべきは金剋木(木は春)の春にとっての敵、金気剋殺することなので、五行剋殺では
「火剋金」の理のとおり盛んに火をもちいた祀りを行うものが多くなります。

祀りでは湯立ての神事と火祀りが併行する組み立てなどもあり、湯と火は同居しているものといえる。
竹は火のシンボルとして祭具として登場しますが、外側が硬く中が空洞の構造は、易における火(離)|:|の
形状であるからです。
                 離

丸い的(金)を竹で作った弓矢で射るまつりも竹は火の役目を果たすものです。「火剋金」。
このように祀りのカタチには陰陽五行から組み立てているものが多いのですが、湯立てのように象徴的な
祭具として登場すると、次第にもとの意味が薄れて単に「伝統」だからと秘術としてしまうことになります。

文化はその時代に生きた人々の心に戻って理解する立場でなければ単なる迷信として追いやり、
やがて千年の文化を捨てることにつながります。湯立ての祀りに思うこと。
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