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水無月(みなづき)の祭り

古くからの祭りや行事を、現在の暦にそのまま置き換えてしまうと色々と不都合が生じます。

伝統を重んじる祭祀には旧暦のまま行うものや、旧暦に近い「月遅れ」で行うものも多い。神奈川県、平塚の七夕は七月ですが、仙台の七夕は八月に行なっている。

お盆は、都市部では七月ですが、地方では月遅れで行い、沖縄や奄美では、旧暦で行っている。

「七夕」の行事は、各地で行われますが、今の暦ですと意に反して梅雨の最中で、天の川どころか雨の季節となり短冊の願いも届かないのではないでしょうか。

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また「七夕」は秋の季語ですが、現行暦の7月7日は、「立秋」までには未だひと月も早く、四季の終わりに配される夏の土用にも至っていない。
因みに、今年の土用の丑の日は7月24 (辛丑)と8月5日(癸丑)の二度巡ってくるため、鰻屋さんも意気込んでいる。

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今の暦の七月を「文月」とすると、「秋」となる為、上記のような不都合を生じる。睦月、如月、弥生、卯月、皐月、水無月、文月、葉月、長月、神無月、霜月、師走の和暦での呼び方は、本来の伝統文化を考えるなら陰暦であったことを考慮すべきです。

そうすると今の七月は、旧暦では凡そ「六月」のため、その呼称は「水無月」となります。 梅雨の最中を含む水の多い月なのに「水無月」とはなぜと思いますが・・・・・・

有力な説は、水無月の「無」は当て字にすぎず、本来は「水な月」であり、「な」は属格の「の」と同じの為、「水無月」は「水の月」のという。だから水が多いのは当たり前で農事暦としては田に水を引く月という意味との説です。

                   浴衣姿

しかし、田に水を引くのは田植えの皐月(さつき)のほうで、水無月には田植えが終わり、田の神さまと直会をする「サノボリ」の時期のようである。

これは陰暦十月の「神無月」も同じで、「神の月」であり、出雲へ神々が集まるので出雲では「神在月」というのは「神の月」の属格「の」が隠れての俗信だという。

本当に「無」の字は単なる当て字なのでしょうか?

民俗学に初めて「易、陰陽五行」の影響が色濃く見られると、多くの論文を発表した吉野弘子氏の指摘によれば、神無月は陰の気の極まった「坤為地」の卦を表すため、全く陽の気が無い純陰の月「坤」であり、「乾」の「天」に対して「地」「大地」を表す為とする。

実際に、陰暦の十月(亥月)は閡(とじる)の意味であり「亥の子祭り」「トーカンヤ」など農事や作神に関わる民俗は全国に多い。

そして実は「水無月」も以下の理由で呪術的な意味であるという。

・陰暦の六月は、夏終わりの「土用」を含む「季夏」である。
・夏の土用はモノが傷み、疫病も流行るため、夏越しの祓いをして収穫の秋へ備える。
・夏の土用は「火気」の中の土用のために、特にその「土気」としての作用が私たちの身体に強く及ぶ。
・五行の「土気」は、生と死の二面の働きを有し、新たな季節を生じさせる力と、前の季節を葬る殺気を含み、両刃の作用をもつ。  
そこで茅の輪をくぐり、人形(ひとかた)の「撫でモノ」に身のケガレを移し替えて祓いをして厄除けをする。

                    祇園山鉾2

夏の土用はちょうど梅雨も明ける頃となり、火(夏)に煽られた燥土で強烈な土気の作用「火生土」をもつために、夏の土用は「土剋水」の理により水を徹底して傷めつける故に「水無月」とした。

昔は、この季節に農耕馬を川に連れていき、水浴びをさせたのは馬=「午」であり「火」であるため、暑気の中和のために行なったようだ。

また易で水無月の卦は「天山遁」であり、この卦に含まれる「山」は、「艮」で、強い土気である。

土用のウナギも燥土の中和が目的で水の卦の丑(牛)に因むものを「丑の日」に摂ることが「土用のウナギ」という風習に変わり定着した。

疫病退散のため茅信仰をもつ祇園祭りも、猛暑の中の土用の不安定な季節を乗り切るための祭りとみてもよい。

山鉾巡行の先頭をきるのは、稚児の乗った「薙刀鉾」のようだ。稚児は「艮」、土気であり、神の尸童(よりまし)である。

博多祇園山笠では締込み姿の引き子に水をかける。こうした水無月(旧暦六月)の祭りは夏の暑気を祓い、土気の季節転換を祈願するものが多く、「水無月」もこうした夏越しの祓を表す和名に思える。

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