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火の粉舞う「取り追う祭り?」

佐賀県の伊万里市に継承される「取り追う祭り」が9日夜、神ノ原八幡宮であった。供物のにぎり飯「御供(ごくう)さん」をめぐり氏子らが激しく火の粉を散らす攻防を繰り広げる。

祭りは南北朝時代、足利氏に敗れた南朝方の菊池武重が逃れて、再興のため火中訓練したのが始まりと伝えられる。現在では農作物を荒らす鳥を追い、豊作を祈る行事とされているが、本来は敵城を「取り」、敵兵を「追う」ことを意味しているという。

神事の後、御供さんが入った竹製の籠が境内に運ばれ、これを奪おうと押しかけた攻め手と守り手が激しく攻防する。守り手は、柱などに松明の炎を叩きつけ、激しく火の粉を攻め手に浴びせる。攻防の末、攻め手がかごのふたを空け、中のにぎり飯833個を氏子や見物客に配る。にぎり飯を食べると無病息災で過ごせるとされる(佐賀新聞要約)。

                   取り追う祭り

記事を読むと、由来は南北朝の合戦とあるもの、「現在はでは農作物を荒らす鳥を追う、豊作祈願の行事のようだ・・」とあり、やはり類似の「鳥追い祭り」として各地で見られるものに比定できる。新春を迎えるための「鳥追い」である。なぜなら、農作物を荒らす鳥を追うなら、収穫時期に行なわれてもよいはずだ。そこで、一般的な予祝呪術としての鳥追いについてみると。

鳥は、「酉」であり、五行では、木火土金水の五気のうちの「金気」となる。鳥追いは、春の象徴である太歳神の「木気」を迎える迎春行事であり、豊作祈願でもある。

五行相剋でみると、春(木気)を無事に迎える為には、その障害となる「金刻木」の「金気」を追放し、木気の伸長を助けるマジナイが必要だ。
金気の象徴の「鳥(酉)」を追放する「鳥追い」によって豊作の象徴である木気を助けることが本旨であろう。「火の粉を振り撒く」のは、金気を剋すのは「火気」のゆえである。正月行事に「火剋金」による「火祭り」が多いのもこのためのようだ。

                      どんど焼き2

例えば、群馬県中之条町に伝わってきた 「鳥追い祭り」は小正月の冬祭りで、神事の後に町中を練り歩き、『鳥追いだ、鳥追いだ、唐土(とっと)の鳥を追いもうせ、セッセッセ、サーラバよって追いもうせ』の掛声とともに太鼓をたたく。

「唐土(とっと)の鳥」とは、日本の西の唐の方位の鳥で、唐も鳥も金気によるものである。類似の催事に、鳥小屋と呼ぶ「どんど焼き」などの火焚き行事にもある。合戦の伝承が加わっても「取り追い」という呼びかたは変わらずに残っているのはこれ故であろう。

更には、にぎり飯も、「白」、「丸い」ものであり、何れも金気のシンボル、にぎりめし833個をふるまうという「8」も「3」の数も木気(春)であるからだ。
春の象徴である、833という「数」のにぎり飯を振舞うことはそのまま豊作の予祝となる。

                     おにぎり

維新政府の禁止令により、公的行事において陰陽道由来のものは少なくなくなったが、実質的には民間祭祀として依然として理由を問わず浸透していた状況もあった。陰陽道が迷信かどうかではなく、神、仏、と並んで陰陽道の歴史が日本文化の基底にあったことは匿すものではないと思う。

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