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棚田と彼岸花

 秋・・・彼岸の頃になると、黄金色に稔った稲田の周囲に、真紅の花が群生する棚田の風景が広がる。
「彼岸花」の血のような色が、稲穂の色と畦(あぜ)の緑に鮮明なコントラストを映す。

 赤い花を持ち帰ると火事になる。死人(しびと)が出る・・・等々、あまり縁起のよい話はない。
 お彼岸という仏教行事に連なるイメージゆえなのでしょうか。

彼岸花の異名も、死人花(しびとばな)、地獄花(じごくばな)、幽霊花(ゆうれいばな)、狐花(きつねばな)、捨子花(すてごばな)などと芳しくはない。

                 棚田の彼岸花

彼岸花は、稲作の伝来の際に、土に鱗茎が混入し広まったという説や、鱗茎には毒があって、田畑の土に穴を掘るモグラ等を避けるために、あえて持ち込み、畦や土手に植えたとも云われている。

おもに人里に生育し、田園や墓地などもに多く見られるという。

どこか腑に落ちない気がしていた……稲作伝来の当時に、毒物の知見をもって稲作の助けとしたとは考えにくい。何処か、あと付の理由にも思える。

――――本当は、もっと呪術的な意味があった可能性がある。

彼岸花の別名、曼珠沙華(まんじゅしゃげ)は、サンスクリット語で、天界に咲く花という意味らしく、
「めでたい事が起こる兆しに、赤い花が天から降ってくる」という、仏教の経典からという。どうやら「赤」という色がキーワードのようだ。

                     狐

 何れにしろ「赤」と「稲作」との密度は濃い。「稲と赤」を考えてみると・・・
身近なところに「稲荷信仰」があった。総本社は、伏見稲荷だ。「稲荷」は「稲生り」のことで、稲魂を祀る穀神、社稷の神であり、神使でもある「狐」の徳をもって成すとする。

狐の徳は、その色中和なる「土」、稼穡にあり、働きは「土気」にあるという。
稲魂の力を強め、豊作を祈るなら土、稼穡の力を助ける「赤(火)」ということが稲作伝来の地、江南より道教と共に伝わったと考えてよい。

                 伏見稲荷


稲作と稲生り、赤と午・・
伏見稲荷の創建には「人皇43代、元明帝、和銅4年2月21日戊午(つちのえうま)、始めて伊奈利山三ケ嶺の平な処に顕れ坐す」とある。

穀神の土気を助けるのは「火」であり=午(馬)である。「五行相生」では、「火生土」となって、火(赤)生土(稲)の相生の理を踏む。

仏教以前より民間信仰としての道教は、明治5年に禁止されるまで農耕や神事の基だった。

                  稲と彼岸花

つまり、田畑の周囲に真紅の色を添えるというのは、穀神である稲魂を助ける豊作の念呪に他ならない。
「墓に多くみられる」、とは死者(後生)の供養とするためとなり矛盾はしない。

……人は、生死にかぎらず五行では「土徳」に配されるからだ。

稲荷社は、旧正月の初午を大祭とするのは稔りの祖である日照(赤)を願うためである。

黄金色の稲穂は、真赤な彼岸花に囲まれ豊かに稔る光景は、案外、稲荷神社の朱色の鳥居の列と同様の構造に違いない。


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