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船幽霊

七月の第3月曜日は「海の日」と定められていて、【海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う】とある。

世界でも、『海の日』を国民の祝日としている国は日本だけらしい。



世界で、極東の島国と称される日本の国土は、ドイツ、イタリア、イギリスよりも大きく、62位ですが、接する海岸線の長さにおいては6位で、アメリカ、中国、オーストラリア、イギリスより長く、排他的経済水域面積も世界で6位としている。



海洋国であればこそ、海の恩恵を受けつつも、比して海難事故も多く、7月8月の夏季には特に多発し、そして日本全国には【船幽霊】にまつわる話も伝わっています。



船幽霊



船幽霊は、亡者船・迷い船・あやかし、という地域もあり、海で亡くなった人の亡霊が幽霊船にのってあらわれ、「櫂を貸してくれ」とか、「杓子(しゃくし)を貸してくれ」と強請(ねだ)り、そのとき穴のあいた杓子(しゃくし)を貸さないと、それで船の中に水を入れられると云う・・・船で水難死した人は、懸命に侵水する海水を柄杓で汲みあげながら力尽きたのでしょうか?



船幽霊2





現れるのは雨や新月、または満月の夜、時化や霧のかかった夜も多く、船として出現する場合は、船幽霊自体が怪光を放っているため、夜でも船のようすが確認できるという。また「送り盆」に漁をすると死者が船縁(ふなべり)に近づき沈めようとする。また霧の濃い夜に船を走らせていると目の前に岸壁、あるいは巨大な帆船が現れ、慌てて避けると転覆や座礁をする・・・等々の話しが伝わっている。



篝火





又、かつて悪天候の日には船が遭難しないように、陸地でかがり火を焚いたといいますが、船幽霊が沖で火を焚いて船頭を迷わせるため、海に飲み込まれて溺死したという。



此のような船幽霊から逃れる方法も地域によって様々な伝え方があり、海に食べもの(供物)を投げ込むなど水神の祟りを鎮める?というものが多く、神津島では、団子、洗米など、高知では灰や49個の餅、長崎県ではシトギ、灰、燃えさしの薪を投げ込むというものなどある。

他に、「わたしは土左衛門だ」と言いうと、船幽霊の仲間として逃れることができたともいわれる。



漁師にとって海は、仕事の場で、生きる糧を得る場所であるが、常に、危険と隣り合わせで、時化や嵐に遭い亡くなる者も多かった。そのため海難事故に遭遇した場合は、率先して協力して助け合う必要があった。

例え漁の最中でも水難による遺体を発見したら、すぐさま収容する決まりであったし、そうすることで却って豊漁が約束されたのだという。



五行配当図





海に投げ込む団子、甘いものは、五行配当図によると「土気」とされていて、土左衛門(水死者)も字の如く「土気」、灰もマッチのカスも「土気」・・・・つまり海難の祭に海に投げ込むものは、全て土気のモノザネ(呪物)なのである。



陰陽五行の五行相剋の理、すなわち「土剋水」を基準としてつくられた呪術だ。

類例に、川が氾濫し、難工事のさいは「人柱」を立てるというものや、人(土気)を水神に捧げることで氾濫を抑える等も同様の構図であろう。特に、童子(艮、土気)、母親(坤、土気)を牲(いけにえ)として水神の怒りを鎮めるというものだ。



川渡り餅





佐賀県の小城(おぎ)羊羹で有名な小城市では、餅を川に投げ入れると水難除けになるといい、玄海町や松浦地区のように、餅ではなく「粥」などを炊いて「カワワタイメシ(川渡り飯)」と呼ぶ地域もあった。



何れも「餅や団子」「粥やシトギ」など錬った菓子や搗(つ)いた餅などを水神に捧げ、川に投げ入れたりすることが共通のようだ。



【船幽霊】の話しも・・・・このような共通の古代思想に基づいているようにも思える。


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