FC2ブログ

花のりと花笠

全国一を誇る海苔の産地、有明海では10月15日から養殖のため、海苔の種付けが始まった。8月の長雨で、海水温が例年より早めに下がり、種付けの前倒し を求める声も上がったが、台風の影響もあり10月15日解禁となった。


      海苔の養殖

海苔の種付けは、干満の差を利用しやすい大潮に行うことが多いのですが、台風により延期したため、24年ぶりに小潮での作業となったという。

      干出

種付けは、春に採取した海苔の種である糸状体を、かき殻に付着させ培養したものをビニール袋に入れて、これを30枚重ねた海苔網(1枚は1.5m×18m)に300個ほど吊るし、海に広げる一連の作業のことを言います。

種をつけた海苔網は一定の時間、空気中(海の上)に出して乾燥させる。これを干出(かんしゅつ)するといいます。

干出は雑藻をとりのぞき、海苔の芽を強くする、単胞子を多くだすなどの目的でおこないます。順調に進めば、11月末~12月には秋芽一番海苔の摘み取り作業が始まります。それを「花のり」と呼んでいます。

       海苔

「花のり」は、うまみ成分であるアミノ酸の含有値が高く、やわらかくて香りのよい海苔に仕上がり、暮れの贈答品としても重宝されます。

なぜ種つけ後の最初に摘んだ海苔を「花のり」と呼ぶようになったのでしょうか?

       のり摘み2


「花」とは、本来「端」であり「物事の始まり」、「先触れ」をいみする言葉だったのではと思う。端先、出端、端番、寝入り端、などと用いますが、門出の贐(はなむけ)も旅立ちの端向けだったのでしょう。

「花のり」は、「端のり」、または「初摘み海苔」という意味であったものに「花」をあてるようになったと考えます。

すると踊りや、祭りに用いられる「花笠」の由来も考えてみたくなる。
これもたぶんに「端笠」であったと考えるほうが自然だ。それは神事や仏事などにもちいる取り物で高くかかげた鉾や花籠(髭籠)から受け継がれたものと推測される。

髭籠2

かって葬送の形式である野辺送りでは、墓に卒塔婆とともにh髭籠を立てる風習がみられた。また御霊会などでは霊の依り代となっています。



常緑木を「はな」と呼んでいたらしく、先端を意味するもので、「ほこ」も、神の依り代の木のことだった。

「花笠」も、鎮送される霊を集める依り代として、花が朽ちる時に霊と共に送られるとした。踊念仏で用いられたものも「端状」のものだったのでしょう。

笠を被って踊ることも、踊り手が尸童(よりまし)となる意味と考えられ、盆踊りも御霊会も、魂送りの祭りとして行われるようになると、装飾や意匠も華やかに変化して「端」より「花」のほうが見栄えがよく思われたにちがいありません。

     やすらい花

海苔の種付け後、最初の摘み海苔を「花のり」と聞いて、摘み初めに賞品イメージのきれいな名前をつけたものと思っていたが、「端」という意味に考えると、なるほど納得がいきます。

そうすると「門出の贐(はなむけ)」という言葉も、いつか「門出の花向け」になる時代がくるのでしょうか?
念仏踊が、花笠踊になったように……
スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

jyoumonjn                                      K.やまだ       in SAGA 

Author:jyoumonjn        K.やまだ in SAGA 
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新トラックバック
月別アーカイブ
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ポインタ・スイッチ




最新記事
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR